肺腺癌における予後予測バイオマーカーの探索
【研究キーワード】
肺腺癌 / 切除検体 / 膜タンパク / Recurrence-free survival / 肺癌 / バイオマーカー
【研究成果の概要】
2021年度には、標的遺伝子である Nectin 2 について、当研究室で保存しているヒト肺腺癌切除検体を用いて遺伝子発現量を測定し、臨床病理学的特徴、予後との関係を検討した。肺腺癌手術検体 105例を無作為に抽出し、定量的 RT-PCR によって Nectin 2 発現量測定行った。Nectin 2 発現量と再発の有無について receiver operating characteristic (ROC) 解析を用いて高発現群と低発現群に分けて Kaplan-Meier 法により Recurrence-free survival を比較し、Nectin 2 高発現群は低発現群に比べて全症例、I 期症例において有意に Recurrence-free survival が短いという結果が得られた。この結果は、TCGA database を用いた in silico での解析結果と一致しており、研究結果が妥当であることを示している。
さらに、当研究室に保管されている肺癌細胞株を用いて Nectin 2 の発現量を比較した。Nectin は 1-4のサブタイプが存在するため、Nectin 2 以外の Nectin の発現量についても検討を行った。また、Nectin 2 に対するノックアウト実験のために CRISPR-Cas 9 ゲノム編集用ベクターを作成し、Nectin 2 高発現株に対してトランスフェクションを行った。シングルセルコロニーから培養を行うことにより、PVRL2 ノックアウト肺癌細胞株の作成を開始した。
Nectin 2 のノックアウトを確認するために、ウェスタンブロットが必要と考えられ、Nectin 2 に特異的に作用する抗体を購入し、抗体がワークすることをウェスタンブロットで確認した。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)