本研究はメダカを悪性黒色腫モデル動物として利用し、安定的に腫瘍を生じる遺伝子改変メダカ系統を樹立し、個体ベースの新規抗癌化合物スクリーニングシステムを確立することを主たる目的としている。ヒトがん遺伝子HRAS^<G12V>導入メダカ系統とメダカ熱ショックタンパク遺伝子プロモーター下でCreを発現する遺伝子導入メダカ系統を交配することにより、温度処理を施すことでヒトHRAS^<G12V>が発現するメダカを作製することができた。この二重遺伝子導入系統は、生後6か月の段階ですべての個体に黒色素胞の異常増殖もしくは悪性黒色腫が確認できた。薬剤投与試験の予備実験として悪性黒色腫が確認できた二重遺伝子導入メダカにソラフェニブ投与を試みたところ、ソラフェニブ投与群では有意に腫瘍増殖が抑制され、生存曲線においても有意な生存の延長がみられた。
【研究連携者】 |
佐谷 秀行 | 慶應義塾大学 | 医学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2009 - 2011
【配分額】4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)