印環細胞型胃癌に対する抗炎症剤による腫瘍抑制効果の検討
【研究分野】消化器内科学
【研究キーワード】
消化器内科学 / 腫瘍 / 胃癌 / 癌 / トランスレーショナルリサーチ / 内科
【研究成果の概要】
(1)印環細胞型胃癌腹膜播種モデルの樹立
複数の遺伝子改変マウスの交配によって、腹膜播種を呈するマウスモデルの樹立を試みた。変異型Krasマウス・Tgfbr2ノックアウトマウス・Cdh1ノックアウトマウスを、胃上皮幹細胞特異的Cre発現マウスであるMist1-CreERTマウスと交配させた。タモキシフェンによるCre発現誘導後、胃内に印環細胞を呈する小病変を認めたが、膵臓病変によってマウスは2週間で死亡認め、腹膜播種を呈するには至らなかった。そこで、同マウスの胃オルガノイドを培養し、培養中でCreを発現させたところ、印環細胞型胃癌を有する腫瘍オルガノイドが形成された。この腫瘍オルガノイドを免疫不全マウスに皮下移植すると、皮下組織に印環細胞型胃癌の組織像を呈する腫瘤を形成するのみならず、数ヶ月で腹膜播種を呈した。本モデルは印環細胞型胃癌腹膜播種モデルとして有用であると考えられる。
(2)Dclk1-DTRマウスの樹立
Dclk1遺伝子を有するBACクローンを用い、Dclk1プロモーター下にDTRを発現するDNAコンストラクトを作成し、BACトランスジェニックマウスを作成した。そのうち1系統は消化管上皮内のTuft cell特異的にDTRを発現していることが確認され、DTの投与によって効率よく除去された。Tuft cell除去後、正常状態の消化管上皮では大きな組織障害は起こらず、細胞増殖等への影響もみられなかった。また、Tuft cellは除去後に速やかに他の幹細胞から再供給された。
(3)印環細胞型胃癌に対する抗炎症剤とDclk1アブレーションの効果
現在マウスを交配して検討中である。
【研究代表者】
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2016-08-26 - 2018-03-31
【配分額】2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)