昆虫特異な適応戦略システムの分子機構に関する企画調査
【研究分野】応用昆虫学
【研究キーワード】
昆虫 / 適応戦略 / 環境適応 / ホルモン受容体 / エクダイソン / 幼若ホルモン / 擬態 / 社会性
【研究成果の概要】
陸上において圧倒的多数の種と個体数をしめる昆虫の特質は、多様で適応的な生存戦略をそのライフサイクルに組み入れたことにある。環境変化の激しい陸上に生息する昆虫は、環境情報に対する適応戦略として、脱皮・変態・休眠などの形式を自在に変更し、大きな成功を収めた。このような昆虫に特有、もしくは典型的にみられる適応的な現象は、生態学、動物行動学、昆虫生理・内分泌学、生化学、分子生物学など広範囲にわたる研究者の興味をひきつけ、基礎生物学の研究対象として重要な位置づけにある。しかし、内分泌制御の実体、特にJHによって遺伝情報の発現が制御される機構などは未解明のまま残されている。特定領域研究の研究領域として発展させ、昆虫の適応戦略に隠された共通のスキームを理解するために、組織的に研究企画ならびに調査を行った。具体的な企画調査の実績は、(1)研究推進と企画に関する会議を、第26回日本分子生物学会(神戸)、東京大学で行われた国際シンポジウム"The Expression Mechanism of Insect Functions"(平成15年11月)などで研究推進と企画に関する会議を開催し、相互の情報交換、研究の問題設定について集中的に討議した。(2)昆虫研究者、大学院生などへの昆虫研究への横断的な情報網の構築と興味を拡充するために、「モデル昆虫としてのカイコ研究過去・現在・未来」をシンポジウム開催委員会と共催の形で開いた。(3)国外での研究動向を調べるために、班員の一人上田均を平成16年3月にアメリカで開催された「エクダイソンワークショツプ、45回ショウジョウバエ会議」に派遣した。
【研究代表者】