IGF-I / IGFBP / IGF-Iレセプター / トロピックホルモン / cAMP / チロシンキナーゼ / 細胞増殖 / 細胞分化 / IGF-1 / IGF-1レセプター / IRS / 情報伝達 / IGF-BP / ICFBP / ICF-1レセプタ
インスリン様成長因子(IGF)は、多くの組織・細胞の成長・分化に必須であることが広く知られている。最近になり、IGFやこのレセプターの遺伝子を過剰発現あるいは欠失させた動物を用いた解析より、IGFの生理活性が、時期特異的かつ組織特異的に合目的的に制御され、はじめて正常な発達・成長が可能となることが示されてきている。そこで、本研究では、IGFの生理活性調節機構の詳細を細胞外および細胞内情報伝達の観点から明らかにすることを目的とした。まず、種々の栄養状態・種々のホルモン投与あるいは欠乏状態・手術後の動物などを用いて、色々な組織のIGFおよびIGF結合タンパク質(IGFBP)の産生量、および血中動態、IGFレセプター発現量などを解析した。その結果、これらが異なる様式で制御されており、細胞外の情報修飾機構を介して、それぞれの生理状態に応答したIGFの同化活性の厳密な制御が行われていることがわかった。一方、内分泌細胞をはじめとした種々の細胞で、トロピックホルモンなどの他のホルモン・成長因子とIGF-Iの相乗作用が観察された。特に、甲状腺細胞では、cAMP前処理により、細胞がよりIGF-Iに反応するようなpriming機構が存在していることを明らかとした。このような現象は、肝臓やその細胞などをインスリン刺激した際にも認められ、生体内で普遍的に起こっていると結論した。これら一連の結果は、IGFの生理活性の種類や強度は、細胞の種類により、あるいは生体の発達状態・生理状態や共存する他の因子により、(1)IGF生産、(2)IGFBP生産、(3)IGFsとIGFBPsの結合状態、(4)IGFsレセプター発現、(5)IGFsの細胞シグナル伝達などの段階で複雑に制御されていることを示している。
【研究分担者】 |
BOYAGES Stev | ウエストメッド病院 | 内分泌学研究室 | 研究室長 |
CONTI Marco | スタンフォード大学 | 医学部 | 助教授 |
BAXTER Rober | コーリング医学研究所 | 教授 |
CLEMMONS Dav | ノースキャロライナ大学 | 医学部 | 教授 |
VAN Wyk Juds | ノースキャロライナ大学 | 医学部 | 教授 |
WYK Judson J.Van | The University of North Carolina, School of Medicine, Professor |
CLEMMONS David R. | The University of North Carolina, School of Medicine, Professor |
BOYAGES Steven C. | Westmead Hospital, Department of Endocrinlogy, Department Chief |
CLLEMMONS Da | ノースキャロライナ大学 | 医学部 | 教授 |
ボエージズ ティーヴン・ | ウェストメッド病院 | 内分泌学研究室 | 研究室長 |
コンティ マルコ | スタンフォード大学 | 医学部 | 助教授 |
バクスター ロバート・C | コーリング医学研究所 | 教授 |
クレモンズ デーヴィット | ノースキャロライナ大学 | 医学部 | 教授 |
ヴァンワイク ジャドソン | ノースキャロライナ大学 | 医学部 | 教授 |
D Ercole A.J | ノースキャロライナ大学 | 医学部 | 教授 |
VANWYK Judso | ノーキャロライナ大学 | 医学部 | 教授 |
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【研究種目】国際学術研究
【研究期間】1996 - 1998
【配分額】13,200千円 (直接経費: 13,200千円)