光ファイバセンサを用いた複合材料・構造のヘルスモニタリングシステム
【研究分野】航空宇宙工学
【研究キーワード】
光ファイバセンサ / 複合材料 / 複合構造 / ヘルスモニタリング / トランスバースクラック / 損傷検知 / ブラッグ格子
【研究成果の概要】
本研究では、複合材料積層板の内部に光ファイバセンサを埋込み、複合材料中に発生するき裂、とくにトランスバースクラックや層間剥離などを監視する知的複合材料クラック発生・進展モニタリングシステムを構築する試みを行った。埋込む光ファイバセンサとしては、、光ファイバブラックグレーティングセンサ(FBG)を用いた。被覆のある通常のFBGセンサに加え、被覆を除去して感度を良くしたFBGセンサも用いた。また、従来より細い直径をもつ光ファイバ(クラッド径40ミクロン、被覆径52ミクロン)を用いた、プリプレグ1層内に埋込み可能であるFBGセンサも使用し、比較を行った。
(1)光ファイバが埋込まれた材料にトランスバースクラックが発生したときの、光ファイバ周辺のひずみ分布を理論的、数値解析的に明らかにした。その場合、光ファイバの埋め込み位置、積層構成についても検討し、ひずみ分布に与える影響を体系的に明らかにした。
(2)光ファイバセンサを複合材料に埋めて、クラックによる集中ひずみが光ファイバセンサの出力に与える影響を実験的に明らかにするとともに、理論との比較を行った。
(3)センサによって測定される内部ひずみや反射光の周波数分布とクラック位置や発生数との関係を体系的に求めた。
(4)埋め込み位置、埋め込み手法、積層構成と出力との関係も同時に検討し、クラック検出に最適な光ファイバセンサの埋め込み構成を明らかにした。
(5)細径光ファイバ(クラッド径40ミクロン、被覆径52ミクロン)を複合材料中に埋め込む技術、光コネクタ技術の開発を行った。
(6)トランスバースクラック発生に伴い生じる反射光の周波数分布は、トランスバースクラック発生・進展プロセスを定量的に評価する指標として有用であることを示した。
【研究代表者】