考古・歴史遺構の非破壊探査技術の開発
【研究分野】考古学
【研究キーワード】
地中レ-ダ- / 磁気探査 / 電気探査 / 超音波探査 / 振動による探査 / 考古学上の非破壊地下探査 / 物理探査 / 物理探査情報の画像処理
【研究成果の概要】
本研究は、考古・歴史遺構の非破壊探査技術の開発のために、その基礎的な実験を中心とする考察を行ったもので、かなりの成果を挙げ得た。
(1) 考古・歴史遺構の非破壊探査の各種方法、例えばレ-ダ-、音波、電気、磁気、赤外線、等々によって、何を判別でき、何を判別できないか、個別の、また組み合わせの特性を、実験的・理論的に、かなりの程度明らかにできた。
(2) 現在の研究メンバ-に加えて、若く、優秀な各分野の研究者、例えば、情報科学の亀井宏行千葉大助教授、地球物理学の斎藤正徳東工大教授、関一長岡科技大助教授(電気系)、蜂谷弘之東工大助手(超音波工学)、足立和成山形大助手(電気系)らと、また、光電製作所、日本無線、日本アビオニックス、ビックら企業の研究者との研究協力体制を整え、共同研究が可能になった。また、イギリスの研究者とも交流が始まった。
(3) 現在の探査機器、すなわち、レ-ダ-、電気探査、磁気探査、超音波探査、電磁誘導探査、赤外放射温度測定などの装置を使って、実際の遺跡、長野県佐久市聖原遺跡の現場で、その有効性と限界、その原因などについて実験的研究を行い、その生デ-タを得て、コンピュ-タ解析と画像処理を行い、ハ-ドとソフトの両面の考察を行った。
(4) また、奈良国立文化財研究所の実験場を使わせていただき、とくに地中レ-ダ-や電気探査について、理論的、実際的検討を行った。
(5) 個々の装置による生デ-タ、そのコンピュ-タによる解析と画像処理による映像、そして実際に発掘してみた結果との比較検討により、各機器の理論的・実際的問題点、改良点を明らかにした。
以上の思索と実験による従来の機器についての研究から、考古・歴史遺構専用のレ-ダ-、電気探査、超音波探査装置等の開発のための基礎的解析がかなり進んだので、試作機製作に進みたいと考えている。
【研究代表者】