内視鏡を用いた3次元胃形態計測システムの開発:胃もたれの病態解明と診断への挑戦
【研究キーワード】
内視鏡 / 胃 / 機能性ディスペプシア / 3次元 / 画像計測
【研究成果の概要】
本研究の最終的な目標は、軟性内視鏡を用いてヒトの胃の内圧・容量・3次元形状を統合して計測するシステムを開発することである。初年度である当該年度は、ヒトにおけるシステムを開発する前段階として、シリコン胃モデルを用いて内圧・容量・3次元形状を統合して計測するシステムの開発を試みた。まず、コンピューター上での胃の3次元形状の再現に最適なシリコン胃モデルの開発に重点を置き、さらに内視鏡を通じた消化管内圧測定とガス注入量を測定する機器の設定を行った。シリコン製の人体モデルを製造する企業と協力し、①軟性内視鏡を容易かつスムーズに操作できる胃モデルの大きさと形状、②撮影した内視鏡画像からStructure from Motionの解析ができるモデル内面の構成と模様、③内視鏡からの低圧の炭酸ガスの注入ならび脱気で適度にモデル全体が伸縮するシリコン素材、④注入した炭酸ガスがモデルから漏出しない機密性、の4点について試行錯誤を繰り返した。合計6回のサンプルを作成し、繰り返し検証と修正を行うことで最終的に本研究に適したシリコン胃モデルを開発できた。これが当該年度の主な実績である。また、内視鏡を通じた胃内圧と炭酸ガス流量は非常に低圧かつ微量であるため測定できる機器が限られていたが、この微量の圧と流量を測定できる高感度センサー機器を選定できたことも実績である。このように、最終的な研究目標であるコンピューターソフトウェア開発の前段階となる周辺機器の用意を完了したことが当該年度の研究実績である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
紋野 雄介 | 東京工業大学 | 工学院 | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)