強烈な台風下の海水面を通しての熱・運動量輸送機構の解明とそのモデル化
【研究キーワード】
台風 / 風波 / 運動量輸送 / 熱輸送 / 乱流輸送
【研究成果の概要】
台風など暴風下における海水面を通しての熱・運動量輸送機構を明らかにし,信頼性の高い輸送モデルを構築することは,台風の強度を正確に見積もるうえで極めて重要である.本研究では,台風シミュレーション水槽を保有するロシアの海外共同研究者と協力し,高風速状態における海水面の砕波機構,および,砕波層を通しての熱・運動量輸送機構を解明し,台風下の強烈な砕波を伴う海水面を通しての熱・運動量輸送モデルを新たに構築することを目的とする.本年度は,主に(1)九州大学応用力学研究所の大型風波水槽にて水位等の測定・解析を行った.(2)近畿大学設置の小型風波水槽において気流場の検証を行った.さらに,(3)近畿大学設置の小型風波水槽において伝熱実験の準備を行った.特に,1の結果,水位のフェッチ依存性が従来予測されるものと異なった.そのため2022年度には,1で測定された水位データに関するさらなる検証を九州大学水槽において実施することが重要である.また2の結果,中風速以上で破砕した水面波を伴う気液乱流場の安定した作製に成功した.これらの研究実績の一部は,英文誌1報にて発表された.また実績の一部は,2021年に開催予定であった国際会議にて報告する予定であったものの新型コロナウィルス感染症(COVID19)の影響により学会が延期となった.また,COVID19状況が改善している場合には2021年中にはロシア渡航を行い,現地にて本研究プロジェクトに関する打ち合わせ及び現地での共同実験を行う予定であった.しかし,このロシア渡航もCOVID19の影響により中止することとなった.以上より,2021年度はCOVID19の影響を多分に受けたものの,本年度の研究は概ね想定通りに進展した.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
鈴木 直弥 | 近畿大学 | 理工学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
松田 景吾 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 | 付加価値情報創生部門(地球情報基盤センター) | 副主任研究員 | (Kakenデータベース) |
大西 領 | 東京工業大学 | 学術国際情報センター | 准教授 | (Kakenデータベース) |
小森 悟 | 同志社大学 | 研究開発推進機構 | 嘱託研究員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
【研究期間】2019-10-07 - 2024-03-31
【配分額】18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)