朝鮮環境史の創成にむけた河川の管理・利用に関する総合的研究
【研究分野】アジア史・アフリカ史
【研究キーワード】
朝鮮史 / 環境史 / 水環境 / 河川 / 水運 / 治水 / 利水 / 漁撈 / 漢江
【研究成果の概要】
朝鮮時代から日本の植民地期に至る時期において、朝鮮の人々が河川をいかに管理・利用してきたかという課題を環境史的な視角から検証するために、関連資料の収集をおこなうとともに、7回にわたり漢江や洛東江をはじめとする朝鮮半島内の主要河川において現地調査を実施した。その際、博物館や図書館等、現地の研究機関を訪問して意見交換の場ももった。主に①交通・運輸、②治水・利水、③資源利用、④景観・空間利用といった4つのテーマから接近を試み、その成果を論文や口頭報告として発表した。
【研究の社会的意義】
環境史への関心の高まりにもかかわらず、朝鮮史ではこれまで環境に注目した研究がほとんどなされてこなかった。そのようななかで環境史研究に本格的に踏み出した点、朝鮮半島と類似した自然環境を持つ日本やその他の地域に関する知見を相対化する素材を提供した点に、本研究の学術的意義がある。河川は人間にとって最も身近かつ重要な環境の一つであり、しかも現代において最も急激に変容した環境でもある。そうした河川と人間との関係を環境史的に考えることは普遍的な課題である。
【研究代表者】