大規模企業間取引データを用いた企業の新陳代謝解析
【研究キーワード】
取引ネットワーク / 企業の新陳代謝 / イノベーション・マネジメント / サプライチェーン分析 / 企業間取引ネットワーク / サプライチェーン / 産業の新陳代謝 / 持続可能な発展 / 地域産業政策
【研究成果の概要】
予期せぬ自然災害や金融危機、新型コロナ感染症によるパンデミックなど、変動が激しくなった現代市場において、持続可能なサプライチェーンの構築は、相互に接続されたビジネス生態系において企業が生き残るための重要課題である。本研究では、企業の適応能力が企業間関係を安定的に維持する力だけでなく、柔軟に組み換える力にも依存している可能性に着目し、ネットワークを構成する要素間の動的推移と構造特性を捉える2つのノード指標である新陳代謝度とPW指標を提案した。更にそれらを企業間取引ネットワークにおける企業およびクラスターの評価に適用し、地域経済におけるクラスター進化への影響を分析した。
令和3年度は、個別企業の動態分析を行う提案指標である新陳代謝度に関する研究成果について、論文投稿および書籍化のための執筆を行った。論文投稿に向けてはパンデミック下でサプライチェーン・マネジメントの重要性が高まっていることを踏まえ、企業が直面している課題や対応状況の調査を行い、平時とは異なる運用についての考察を追記した。ネットワークを構成する要素間の動的推移に関する知見と本研究の位置づけについてさらなる先行研究調査を行うとともに、研究成果の再現性確認および提案指標に基づいて抽出した特徴的企業群の地理的分布等の補足実験を行い、執筆作業を完了した。研究成果の書籍化に向けた作業としては、関連研究調査および執筆作業を進めるとともに,近年のサプライチェーン運用の実務に関してヒアリングを行い、本研究の妥当性と適用可能性に関する有益な知見を得た。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)