第二次大戦期「帝国主義」の国際比較:グローバル・ファシズム研究の基盤構築に向けて
【研究キーワード】
ファシズム / グローバル・ヒストリー / 第二次世界大戦 / 帝国 / 青年知識人 / プロパガンダ / グローバル・ファシズム / 帝国主義 / 国際比較 / 傀儡政権
【研究成果の概要】
今年度(2021年度)は、昨年度に引き続き新型コロナ・ウィルスの影響から現地調査(欧州及び中国)が困難になったことから、オンラインでの会合やワークショップの開催を継続的に開催し、それぞれの研究内容を比較検討する態勢を整えた。またその催しに外部の研究者を積極的に招くことで、共同研究の活性化に取り組んだ。
特に7月には、研究メンバーを報告者に据えたオンライン・ワークショップ「戦時期「グレーゾーン」を架橋する ―東アジア・欧州の被占領地からの視点―」を企画・開催した。その際、戦間期から戦時期の中国(高綱、関)、イタリア(新谷)、リトアニア(重松)、クロアチア(門間)の事例を取り上げながら、日独帝国の統治体制と現地情勢の連関について各人が報告した。その内容を基に、各人が寄稿する論集『グレーゾーンと帝国(仮)』の執筆・編集作業を進めた。
また10月にはオンライン・国際ワークショップ「Fascism in Motion」を開催して、国内外の研究者と共に、アジアとヨーロッパの両地域における「グローバル・ファシズム」の歴史的実態を比較検討する作業を行った。これは大戦間期に世界規模でファシズム運動が流通する中、各地域の知識人や政治家がいかにしてファシズム・イデオロギーを受容あるいは利用したか問うものだった。
これらの作業を通じて、現在の「グローバル・ファシズム」研究の国際的水準を確認すると共に、日本を拠点にした研究領域の開拓とその拡充に努めた。
【研究代表者】