鋼構造部材の安定性評価手法の統一化およびその応用としての合理的設計手法の確立
【研究キーワード】
建築構造 / 鋼構造 / 部材 / 安定性 / 統一的性能評価
【研究成果の概要】
本研究は,鋼構造に対する設計行為の明確化および合理化に繋げる鋼構造の設計体系の高度化を図るために,その設計手法が連続かつ統一的となることを目指し,鋼構造部材の使用条件範囲を区分,設定,限定しない統一的な安定性評価手法を構築することを目的としている.具体的には,(1)主要構造部の部材として使用されていない薄い板厚の範囲における部材挙動およびその構造性能の解明,(2)鋼構造部材の軽量化,大断面化に伴う断面形状および補剛等を考慮した周辺部材の簡略化,(3)現行規準,指針における仕様,使用範囲から逸脱している部材の詳細な部材性能評価であり,研究全体は5つのサブテーマから構成されている.
以上の目的のため,2年目の令和3年度は,以下のサブテーマ「2)圧縮力および曲げを受ける組立部材の安定性評価」,「3)薄板H形断面部材の安定性評価の高度化と接合部への展開」を主に検討し,令和2年度の検討で,新規かつ詳細な検討が必要と判断したサブテーマ「1)圧縮力および引張力を受ける非対称断面部材の弾塑性性能評価」の一部についても継続検討した.
サブテーマ2)では,様々な接合ピッチを有する薄板非対称断面組立引張材に対する新たな合理的設計式を提案した.圧縮および曲げを受ける組立材の挙動については,その基本的な特性に対する検討は終了しているが,サブテーマ1)の知見および接合要素のモデル化等の詳細な検討が必要と判断し,予定の研究期間を延長して行なうこととした.なお,サブテーマ1)では,薄板非対称断面部材の境界条件に応じた座屈モードの解明および終局耐力評価を行なった.サブテーマ3)では,柱梁接合部および近傍部位の薄板化の可能性とその安定条件を踏まえた設計法に向けた検討を行った.さらに,サブテーマ「4)冷間成形角形鋼管部材の連成座屈不安定挙動の解明」に向けた基礎資料の収集と基礎的検討を開始した.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
三井 和也 | 東京工業大学 | 環境・社会理工学院 | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【配分額】17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)