人民公社初期、華北村落社会の変容
【研究キーワード】
農業集団化 / 中国共産党 / 農村 / 社会主義 / 人民公社 / 農村調査 / 中華人民共和国 / フィールドワーク
【研究成果の概要】
本年度は昨年度に引き続き新型コロナウイルスの流行のために海外調査を行うことができなかったが、国内での調査として国立国会図書館関西館で文献調査を行うことができた。これは当該館が所蔵する上海新華書店コレクションを対象とするものであり、年度内に2度の調査を行い、1950~1960年代に中国国内で発行された書籍を中心に資料収集を行うことができた。
研究成果としては1950年代河北省の農村における「デマ」について考察した「中華人民共和国初期農村謡言考序説」が『社会科学研究』第73巻第1号に掲載されたほか、共著書籍として『タバコ産業の政治経済学-世界的展開と中国の現状』が昭和堂より刊行された。このほか、日中若手研究者の交流イベントである「「JENESYS2020」日中青年研究者オンライン交流―新情勢における日中協力の潜在力―」や「国際ワークショップ 1950年代、共産党権力の浸透と農村社会」等で複数回の口頭発表を行った。
『社会科学研究』論文は農村におけるデマの変遷を通じて、本研究の主要な課題である国家と社会との関係を明らかにするものである。上述国際ワークショップでの口頭発表は個別の農業生産合作社の変遷について焦点を当てたものであり、次年度以降、他地域との比較の中で比較検討を行う必要がある。
この他、分担執筆したフィールドワークの調査報告書としてが『中国の農民は何を語ったか―華北農村訪問聞き取り調査報告書(2007年~2019)―』が刊行された。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)