必異原理の効果とその違反の相互作用に関する研究
【研究分野】言語学
【研究キーワード】
OCP / ライマンの法則 / 借用語有声促音の無声化 / 日本語話し言葉コーパス / variation / interaction / internal factor / external factor / 借用語 / 有声促音 / 無声化 / 連濁 / 必異原理 / 音韻論 / 相互作用
【研究成果の概要】
本研究では,言語の様々な側面において「同じであること」を禁止する必異原理をテーマとして,その効果と複数の一致現象(違反)が起こった場合の相互作用を実際の言語使用データを使って新たに調べた。
必異原理の一致回避効果は,現象特有のものではなく,一般性の高いものであることが確認された。その効果の現れ方は現象・文脈により様々であり(例,促進・抑制),これらのパターンを類型化することができた。例えば,濁音の一致は子音・母音の一致より優先して回避されやすい,その効果は音節構造や距離に依存するなどである。更に,音韻現象だけでなく,統語現象にも同様の効果が見られることも分かった。
【研究の社会的意義】
[1] 必異原理の効果,及びその相互作用が明らかになることにより,その知見を基にして音声学的手法による検証を発展させることできる(とりわけ,どのような項目を調べれば良いのか,仮説の立て方について指針を示すことができるなど) 。
[2] 必異原理は人間言語に広く見られる。従って,本研究において得られた知見を基にして,特徴の異なる他の言語との比較を行うなど通言語的な研究へと発展させることができる。
[3] 従来の定性的・理論的研究における主張の妥当性を検証し,それを修正,あるいは強化するなど,言語理論全体の発展が期待できる。
【研究代表者】
【研究協力者】 |
川原 繁人 | |
南部 智史 | |
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【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【配分額】3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)