化合物半導体を用いたカスケード非線形光学素子の研究
【研究分野】応用光学・量子光工学
【研究キーワード】
非線形光学 / 副格子交換エピタキシー / カスケード効果 / 波長変換 / 化合物半導体 / 疑似位相整合 / デバイス作製プロセス / 分子線エピタキシー / モノリシック集積化 / 擬似位相整合
【研究成果の概要】
1.GaAs/AlGaAs導波路作製プロセスの最適化
カスケードデバイスに不可欠な高い変換効率を実現することを目指して,低損失・高効率デバイス作製のためのプロセス最適化をおこなった。CMPによるテンプレートの平坦化について検討をおこない,5nm以下の平坦化を実現することができた。平坦化テンプレート上の最適成長条件も特定した。
2.GaAs導波路デバイスにおけるパラメトリック蛍光
GaAs/AlGaAs周期副格子交換導波路デバイスを用いて1.064μmポンプ光に対するパラメトリック蛍光の観測に成功した。温度チューニング特性は設計どおりで,得られた変換効率は実効相互作用長とコンシステントであった。
3.GaAsアンチフェイズ境界の微視的評価
GaAs周期反転構造におけるアンチフェイズ境界の微視的な幾何学構造と電子構造をあきらかとするために超高圧電子顕微鏡観察とカソードルミネッセンス測定をおこなった。最適化されていない成長条件で作成されたGaAsアンチフェイズ境界は結晶性が劣化しており,非発光性再結合中心の集中した劣悪なものとなっていることがあきらかとなった。
4.InP基板上副格子交換エピタキシーの研究
InP基板上へ化合物半導体疑似位相整合非線形光学デバイスを作製するために,InP基板上副格子交換エピタキシーの実現に取り組み,これを始めて実現した。また,緩和Ge層上に反転GaAsを良好な結晶品質で成長することができることも確認した。
5.GaNの非線形光学定数の精密評価
サファイアc面基板上にMBE成長したGaN薄膜について,その非線形光学定数の精密測定をおこなった。薄膜試料内での多重反射効果を考慮して正確な測定,解析をおこなったところ,従来値の半分程度の大きさが得られた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
江馬 一弘 | 上智大学 | 理工学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2002 - 2003
【配分額】14,900千円 (直接経費: 14,900千円)