ポリマーナノコンポジットの構造制御と機械特性発現メカニズムの解明
【研究キーワード】
ポリマーナノコンポジット / 自己集合 / ナノ粒子 / 粗視化分子シミュレーション
【研究成果の概要】
本研究の目的は,粗視化分子シミュレーションを用いて,様々な添加剤がポリマーナノコンポジットの性質に与える影響を検討し,ポリマーナノコンポジット材料における力学特性の支配因子を特定を目指すことである.さらに明らかとなったメカニズムを基に,ヤヌス粒子を用いた相分離構造制御を行い,既存の材料では観察されない機械特性を有する材料を探索する.その目的に対し,初年度は,プログラムの作成およびシステムの構築を行った.まずプログラムの開発として,これまでの研究において粗視化分子シミュレーションの基本的なプログラムは開発済みであったため,それらをポリマーナノコンポジット系に拡張した.具体的には,ホモポリマーまたはブロックコポリマーで構成されるポリマーマトリックスに,ナノ粒子を添加した.このプログラムを用い,まず平衡状態での自己集合構造を調べた.検討パラメータは,ナノ粒子表面の化学的性質(ホモまたはJanus(異なる化学的性質の表面を伏せ持つ)),体積分率とした.調査の結果,粒子のデザインや粒子体積分率に応じて,様々な自己集合構造が現れた.さらに非平衡シミュレーションにも取り組んだ.具体的には一軸引張シミュレーションを実施した.現在は,平衡シミュレーションで得られた様々な自己集合構造に対して引張シミュレーションを行うことで,ガラス転移温度以上に設定された温度域での,自己集合構造と物性の関係性を調査している.
【研究代表者】
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2021-08-30 - 2023-03-31
【配分額】2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)