単一飛行電子を用いた量子電子光学実験の基盤技術の開発
【研究キーワード】
量子電子光学 / 表面弾性波 / 量子デバイス / 飛行量子ビット / 量子ドット / 量子細線 / 圧電帯薄膜 / 圧電体薄膜 / 量子ビット
【研究成果の概要】
「GaAs/AlGaAs半導体二次元電子系における量子電子光学実験に向けた基盤技術の開発」に関しては、まずピコ秒スケールの電圧パルスを活用し、表面弾性波によって運ばれる単一電子の飛行中の位置分布を調べた。その結果、ある閾値を超える強度の表面弾性波で電子を移送することで、特定の表面弾性波のポテンシャル底を選び、電子を運べることを示した。現在は、その知見を利用し、結合量子細線に2個の電子を同期して注入し、クーロン相互作用を利用した位相制御器の実現に向けた実験に取り組んでおり、成果が出始めている状況である。また、初年度に技術開発を行った単一のポテンシャル底を持つ表面弾性波を用い、単一電子の移送実験を行った。その結果、99%を超える高い効率で単一電子の移送を行うことに成功した。
「Si電子系における単一電子移送の実現」に関しては、初年度から継続し、より高強度な表面弾性波をSi電子系に導入するため、絶縁体膜や圧電帯膜の最適化に取り組んだ。現在は、新たに設計した膜構造の上に作製したIDTの評価を行っている。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
小寺 哲夫 | 東京工業大学 | 工学院 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【配分額】18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)