リボソーム生合成因子がプロテアソーム形成を制御する機構を解明する
【研究分野】細胞生物学
【研究キーワード】
プロテアソーム / リボソーム / 複合体形成 / タンパク質分解 / タンパク質合成 / 出芽酵母
【研究成果の概要】
プロテアソームに関連する新しい遺伝子として出芽酵母TIF6を単離した。Tif6はリボソーム合成に関わる遺伝子である。TIF6の変異体は1)アミノ酸アナログ感受性、2)プロテアソームによって分解されるモデル基質の分解遅延、3)プロテアソーム変異との二重変異による合成増殖遅延を示す。Tif6は保存性の高いタンパク質でヒトのオルソログはeIF6である(70%以上同一)。そこでeIF6とプロテアソームとの関係を調べてみると、eIF6のノックダウンによりプロテアソーム形成が阻害されることがわかった。またeIF6とプロテアソームサブユニットのいくつかは酵母ツーハイブリッド法で結合することが示唆された。
【研究の社会的意義】
細胞内における選択的なタンパク質分解のためのマシナリーであるプロテアソームとタンパク質合成のためのマシナリーであるリボソームとがTif6/eIF6を介して関連している可能性を示唆した。Tif6/eIF6は60Sリボソームの形成に関わるシャペロンであると同時に、80Sリボソーム形成においてチェックポイント機能を果たす分子でもあることが知られていた。Tif6/eIF6の発現減弱細胞はさらにプロテアソーム形成にも異常を示し、またプロテアソームサブユニットとも相互作用することが今回明らかとなり、タンパク質合成とタンパク質分解が協調している可能性を示した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【配分額】4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)