イオン液体の化学
【研究分野】物理化学
【研究キーワード】
イオン液体 / イオン性液体 / 常温溶融塩 / イオンゲル
【研究成果の概要】
研究実施計画に従い、物理化学、合成化学・生命化学、電気化学・材料化学の各班の研究会を以下のように開催した。合成化学・生命化学班、平成14年11月6日(水)、東工大大岡山キャンパス百年記念館。物理化学班、11月12日(火)、東京大学理学部化学科講堂。電気化学・材料化学班、11月21日(木)、慶應義塾大学日吉キャンパス来往舎。また、研究代表者の濱口は、平成14年10月10日から16日まで英国に出張し、イオン液体研究の世界的センターであるQueen s University Ionic Liquid LaboratoriesにKen Seddon教授を訪問し、同センターにおける研究の進捗状況を視察するとともに、今後の研究協力について意見を交換した。これらの準備を踏まえて、全体会議を平成15年1月14日に東京大学理学部化学科講堂で開催した。この会議には、大学、国公立研究所、民間から100名近い研究者が参加し、活発な議論が展開された。プログラムは以下のとおりである。K. Seddon (Queen s Univelsity, Belfast UK)、Ionic Liquids for Green Industrial Synthesis。濱口宏夫(東大院理)、イオン液体の構造とダイナミクス。関一彦(名大物質国際研)、イオン液体の電子構造と表面分子配向。北爪智哉(東工大院生命理工)、イオン性液体が構築する新規なタイプの反応場。笹井宏明(阪大産研)、スピロキラリティーを有するイオン性液体の開発。大野弘幸(東京農工大工)、新しいイオン性液体と高分子。渡邊正義(横浜国大院工)、イオン液体およびイオンゲルの特性と機能化。本企画調査により、我が国のイオン液体研究者間のネットワークを初めて構築し、また海外の研究拠点との協力関係を樹立することができた。基礎から応用まで、イオン液体を総合的に研究するための基盤を形成することができたと考える。今後、今回の研究分担者を核として、イオン液体に関する研究コンソーシアムの形成を目指す。
【研究代表者】