超臨界流体プラズマ法による新規カーボンナノ材料の創製
【研究分野】構造・機能材料
【研究キーワード】
マイクロプラズマ / 超臨界流体 / 超臨界流体プラズマ / カーボンナノマテリアル / ナノマテリアル
【研究成果の概要】
誘電体バリア放電、および、直流放電をベースにしたCO_2およびXe超臨界流体プラズマのな発生を行い、リサージュ測定からその電子密度が10^<18-22>cm^<-3>という超高密度であることを明らかにした。またCO_2超臨界プラズマの顕微ラマン分光より、ラマンピークの低波長側へのシフトが見られ、通常考えられる、温度の上昇による効果とは逆のシフトであり、分子の形態の変化が示唆された。
またカーボン系ナノ構造物質合成プロセスへの応用を行った。scCO_2中でのプラズマプロセスでは特に、プロセスの温度、圧力依存性や、周波数依存性を精緻に調べ、SCFプラズマプロセスの知見を深めた。
結果、適用したアーク、DBD、どちらの放電形態においても、scCO_2中でのプラズマプロセスにより、CO_2を炭素源としてカーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等、多量のカーボン系ナノ構造物質の合成に無触媒、低いプロセス雰囲気温度で成功し、新たな反応経路を利用した物質合成に実現した。特に3kHzの交流電圧を印加したDBD法の際に、多量のナノ構造物質の合成に成功した。SCF中でのプロセスと比較するために高圧ガス中、および液体中でのプロセスも行なったが、高圧ガス中ではほぼアモルファスカーボンの合成しか確認されず、SCFよりも高密度となる液体中でのプロセスにおいても、部分的にナノチューブ等のナノ構造物質の合成は確認されたが、SCF中でのプロセスに比べると少量で、ナノ構造物質が密集した集合体も確認されなかった。これは、ゆらぎの大きいSCF中でのプロセスにおいては、ナノ構造物質の合成に適した条件(密度、種となるクラスターの大きさ等)となる点が存在しやすい、もしくは特異な雰囲気であるSCFとプラズマとの界面において、これらナノ構造物質の合成に優位に働く特殊なメカニズムが存在するのではないかと推測される。
【研究代表者】
【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2005
【配分額】3,500千円 (直接経費: 3,500千円)