CdTeピクセル検出器の硬X線,ガンマ線の高感度イメージング観測への応用
【研究分野】天文学
【研究キーワード】
CdTe / CZT / CdZnTe / ピクセル検出器 / 放射線検出器 / ガンマ線 / 検出器
【研究成果の概要】
われわれは高いエネルギー分解能を持った新しい硬X線撮像素子の開発を進め、独自の読み出し用アナログLSI(ASIC)や実装技術を開発することで、200ミクロンから2mm角にいたる様々な大きさの画素を持ったピクセル検出器を実現した。
第一段階として、ピクセル検出器にバンプ接合をした読み出し基板から信号を引きだした後、それをシリコンストリップ検出器用に開発した低雑音の1次元LSIで処理する方式による256ピクセル(2mm角)からなる大面積のCdTeダイオード撮像素子の開発を行い、全面にわたって、エネルギー分解能が2keV(FWHM)というような、一様なスペクトル応答を得る事ができている。こうした検出器を16枚組み合わせて1026チャンネルもの計測を行うためのコンパクトなデータ収集システムを構築し、実際にイメージング実験を行うとともに、コンプトンカメラに応用する試みも行った。
また、ボン大学と共同で、特別に開発した、あるエネルギー範囲のフォトンだけをカウントする2次元LSIを用い、20Gミクロンの位置分解能でイメージを取得する4096ピクセルの検出器の開発にも成功した。
現在、われわれは、こうしたLSIを発展させ、200ミクロンピッチのピクセル検出器に直接バンプ接合することにより、撮像と分光の両方を実現する2次元のLSIの開発を進めており、本研究において、0.35ミクロンCMOSルールを用い、放射線計測に必要な回路ブロックを実現して、12x12のピクセルに対応したLSIの試作を行った。今後、規模を拡大し数千ピクセルに対応した2次元LSIが完成すれば、世界で初めて、高いエネルギー分解能と位置分解能とを合わせ持つガンマ線撮像分光素子を実用化できる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
尾崎 正伸 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 | 宇宙科学研究本部高エネルギー天文学研究系 | 助手 | (Kakenデータベース) |
能町 正治 | 大阪大学 | 大学院・理学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
黒田 能克 | 三菱重工業株式会社 | 名古屋誘導推進システム製作所 | 課長(研究職/">(Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2001 - 2003
【配分額】43,160千円 (直接経費: 33,200千円、間接経費: 9,960千円)