水分解活性向上を目的とした光触媒のイオン液体高分子修飾
【研究キーワード】
光触媒 / 酸窒化物 / 水分解反応 / 水素生成 / 可視光 / 助触媒 / 表面修飾
【研究成果の概要】
再生可能エネルギーを利用した大規模水素製造技術として、粉末光触媒による太陽光水分解反応が研究されている。水分解用光触媒の量子効率を向上させるには、光触媒材料の欠陥密度の低減と表面における逆反応の抑制が必要である。本研究では、可視光応答型非酸化物光触媒に対しイオン液体高分子を利用した親水性制御等の各種表面修飾を施し、高選択的かつ安定に水を分解可能な可視光応答型光触媒の開発を狙う。
2021年度はイオン性液体高分子等による表面修飾の効果を検討するのに資する光触媒を探索した。各種窒化物系光触媒の調製法を検討した結果、窒化時の出発原料を変更し、さらに適当な水素生成助触媒と酸素生成助触媒を共担持することで、可視光水分解反応に活性なSrTaO2Nを調製することに成功した。また、窒化時に酸素源を添加する、助触媒共担持の手順を変更する等の改良を加えることで水分解活性が向上することを見出した。調製したSrTaO2Nは少なくとも10時間程度安定に可視光照射下で水分解反応を駆動した。分析の結果、助触媒を共担持する工程で助触媒の構造や組成が想定した状態から変化していることが示唆されている。酸素源添加の効果の解明や助触媒の成分及び分散性の制御は今後検討を進める予定であるが、検討結果を光触媒合成や助触媒共担持の工程にフィードバックさせることで、さらなる活性の改善が見込まれる。
【研究代表者】
【研究種目】特別研究員奨励費
【研究期間】2021-09-28 - 2024-03-31
【配分額】2,200千円 (直接経費: 2,200千円)