東アジア家系記録(宗譜・族譜・家譜)の総合的比較研究
【研究分野】東洋史
【研究キーワード】
家系記録 / ユタ系譜資料館 / 韓国 / ベトナム / 天草 / 墓石 / 文化資本 / 親族関係 / 家譜 / 家系図 / 墓標 / 東アジア / 中国 / 朝鮮 / 沖縄 / 国際研究者交流 / 社会史 / 社会人類学 / 族譜 / 韓国,中国,ベトナム,モロッコ,米国
【研究成果の概要】
研究成果報告書では、3年間にわたる東アジアの家系記録の比較研究の成果に基づき、各研究分担者および研究協力者の論考を執筆した。嶋の論考では、アメリカ合衆国ユタ系譜資料館などに所蔵されている朝鮮関係の家系記録の検討を行い、朝鮮の家系記録の所蔵状況について、データを掲載した。さらに現存する最古の15世紀に編纂された『安東権氏世譜 成化譜』を分析している。この成果は、今後の朝鮮家系記録の研究に対して、研究の基礎を提供するものである。中西は、これまでベトナム北部を中心として進められてきた族譜研究から一歩進んで、ベトナム南部のある村落における家系記録を対象に研究を進めた。キン族が族譜を外来の文化要素として受け入れたことを指摘し、族譜が記憶の装置としてどのように利用されてきたのかを分析した。森本は西アジアの家系記録の分析を進め、東アジアの家系記録の特質を浮かび上がらせた。研究協力者の田中藤司は天草の墓石に関する研究を、現地の状況を伝える写真とともに紹介し、墓石を家系記録のなかに位置づけた。倉橋は中国江南の族譜に基づき、文化資本という視点を採り入れながら族譜分析の新しい可能性を示した。上田はフィールドワークと科研で収集した族譜資料に基づき、村落の空間に残された家系記録として、家屋や祠堂の意味づけを分析した。
【研究代表者】