Fourier解析と半群の理論を用いるNavier-Stokes方程式の研究
【研究分野】基礎解析学
【研究キーワード】
Navier-Stokes方程式 / Lorentz空間 / Morrey空間 / ^*-弱収束 / 周期解 / 概周期解 / 外部領域 / 安定性 / *-弱収束 / Besov空間 / Hardy空間
【研究成果の概要】
全空間あるいは外部領域におけるNavier-Stokes方程式について、これまでの研究では外力が時間に依存しない場合に、定常解の一意存在及び初期摂動に関する安定性について研究していたが、この研究では外力が時間に依存する場合について、解の一意存在とその摂動についての安定性についての研究を行った。この研究は時間について周期的、あるいは概周期的な外力がある場合に、同じ周期を持つか、あるいは概周期的な解の存在、一意性及び安定性についての研究を一般化したものである。
全空間の場合は解の属する空間としてMorrey空間を用い、これまでに小薗英雄氏、中尾慎宏氏、谷内靖氏らによって通常のLp-空間について得られた結果をMorrey空間に拡張することに成功した。外部領域の場合は解の属する空間として弱Lp-空間を用い、これまでの研究で必要だった外力についての仮定を大幅に一般化することに成功するとともに、これまでに得られていなかった空間3次元の外部領域における解の一意存在を証明することに成功した。
手法としては、Morrey空間の場合はこれまでに用いた函数解析的な手法をそのまま用いることで可能であったが、弱Lp-空間の場合は、それまでに収束しないと思われていた無限次元空間に値をとる積分が、実は^*-弱位相について収束することを示すことが本質的である。これを示すために弱Lp-空間を一般化したLorentz空間の族を考え、これまでの研究で用いられたLp-Lq型の評価を実補間の理論を用いて精密化し、さらにLorentz空間の双対性を用いた。
【研究代表者】