モジュライのコンパクト化と閉軌道空間
【研究分野】代数学
【研究キーワード】
楕円曲線 / モジュライ / レベルN構造 / Abel多様体 / Stability / コンパクト化 / Abel 多様体 / 安定性 / 閉軌道空間
【研究成果の概要】
Abel多様体のモジュライの新しいコンパクト化が構成できた。これについて論文「A new compactification of the moduli of abelian varieties over Z[ζN,1/N]」を完成し投稿中である。Inv.Math.(1999)の中ではStabilityの立場からコンパクト化(Fine moduli)を構成したので、Abel多様体の極限としては構造層がべき零元を持つこともあった。そこで今回はStabilityを犠牲にして、その代わり構造層がべき零元を持たないものをとった場合にも、モジュライのコンパクト化が可能かどうかを考察した。その結果、Abel多様体の極限としては構造層がべき零元を持たないもののみをとっても、モジュライとしていくぶん悪くなるがやはり、モジュライのコンパクト化が構成できることが証明できた。しかしStabilityを犠牲にしたので、退化Abel多様体のはもはや閉軌道を持つとは限らない。
一方、Hilbert shcemeの射影的な部分多様体Zで、軌道空間X(semi-stable)//Gに有限ファイバー、かつ全射されるもが存在し、さらに軌道空間X(semi-stable)//GはZのファイバーの粗なモジュライとなる場合は一般論により、Zをモジュライとするようなモジュライ函手Mを一般的に構成できる。Stabilityによるモジュライ空間SQ_{g,K}はこのように構成されている。
【研究代表者】