補間空間と摂動論を用いるNavier-Stokes方程式の研究
【研究分野】解析学
【研究キーワード】
Navier-Stokes方程式 / 定常解 / 安定性 / 弱L^n-空間 / 外部領域 / Lorentz空間
【研究成果の概要】
流体の運動を記述するモデルであるNavier-Stokes方程式の外部領域における定常解の存在、一意性及び安定性を函数解析的な方法を用いて研究した。
これまでの研究では空間次元がnの場合にはn乗可積分函数の空間が用いられていたが、平成9年度の研究で、3次元空間においては3乗可積分な定常解が存在するのは特殊な場合に限り、従って一般にはより広い空間である弱L^3空間を考える必要があることを示した。また、全空間におけるNavier-Stokes方程式については、弱L^n空間より真に広いMorrey空間に属する小さい定常解が一意的に存在するための外力についての十分条件を与え、さらにこの定常解が弱L^n空間より真に広く、さらにRadon測度以外の超函数をも含む函数空間に属する小さい初期摂動を加えても安定であることを示した。
平成10年度には空間次元nが3以上のときに、弱L^n空間におけるNavier-Stokes外部問題を考え、外力が弱L^<n/2>空間に属する十分小さいポテンシャルの導関数として与えられるという条件の下で、弱L^n空間に属する小さい定常解が一意的に存在し、かつこの定常解は弱L^n空間に属する小さい初期摂動を加えても安定であることを示した。この結果はこれまでにしられているポテンシャル論的方法による結果よりもより一般的な外力に対して適用でき、さらに今まで函数解析的な方法では取り扱えなかった3次元の場合にも適用できる。
【研究代表者】