政策再編と制度設計
【研究分野】政治学
【研究キーワード】
政策変容 / 制度設計 / 官僚制 / 政界再編 / 省庁再編 / 政策再編 / 横断的処理 / 政策生成 / 政策統合
【研究成果の概要】
本研究は,1990 年代から現代までに至る「政界再編」と「省庁再編」という2つの再編期に,どのように「政策再編」が生じたのかを理論的・実証的に分析した.これにより,「政策再編」時に通底した制度設計上の論点や課題を把握した.あわせて,将来的な「政策再編」を実施する上での実践的含意・方向性の検討を行った.本研究の成果は,『政策変容と制度設計-政界・省庁再編前後の行政-』(ミネルヴァ書房,2012 年)として公刊した.同書では,「序章政策変容と政界再編・省庁再編」(金井利之)では,政策変容と政界再編・省庁再編の動態と理論的含意を分析した.次いで,「第I部政策の横断的処理」では「第1 章統治機構」(伊藤正次),「第2章予算編成」(曽我謙悟),「第3章総合行政主体」(姜光洙),「第4章統計制度」(松井望)と,政策変容に共通する横断的な処理に関する 4 テーマの考察を行った.次いで,「第II部政策領域の生成」として,「第5章地球環境政策」(久保はるか),「第6章野生動物保護管理政策」(打越綾子),第7章景観政策」(田丸大),「第8章観光政策」(田口一博)と政界・省庁再編期で新たに生成した 4 つの政策領域への分析を行った.「第III部政策の統合再編」では,第9章 原子力安全規制政策」(城山英明),「第10 章規制改革」(田辺国昭),「第11 章通商政策」(金燦東),「第12 章医療政策」(飯間敏弘)と,政界・省庁再編期以前から存続し,同期に統合・再編した 4 つの政策分野への分析を行った.最後に「終章政策再編への制度設計」(金井利之)では政策再編の政治行政上の特性と制度設計上の含意を明らかにした.また,本研究では,成果となる本書をもとに,国内外の研究者による公開研究会を開催し,同研究内の更なる考察と社会的普及を行った.
【研究代表者】