日本の少女文化におけるアメリカ表象の歴史的意義
【研究分野】ジェンダー
【研究キーワード】
文学とジェンダー / 少女マンガ / アメリカ文学 / 感傷性 / 孤児 / アメリカ / 少女文化 / 民主化 / 翻訳史 / 西部 / GHQ/SCAP / 外国文学 / 翻訳 / 海外渡航自由化 / 民主化政策 / 視覚芸術 / 翻案文学 / ポカホンタス / 翻訳児童文学 / 少女文化史 / 戦後民主化政策 / アメリカ文化受容 / 女性史
【研究成果の概要】
2021年度は、前年度後半より取りかかっていた本研究を単行本にまとめる作業を継続した。これまで執筆した論文を見直し、また論文執筆にあたって使用した資料を再度確認する作業をおこなった。その結果10月1日付で単著『立ちどまらない少女たちーー<少女マンガ>的想像力の行方』を松柏社より刊行した。
本書を刊行するにあたり、これまでの研究成果を見直しながら最終確認をしていたところ、少女の自立というテーマと19世紀アメリカ女性文学に頻繁にみられる感傷性との関係性に関する議論を深めるべきであることを認識した。そのため、本年度の後半には、19世紀アメリカ女性文学の中でも、その感傷性でよく知られる二作品、すなわちマリア・カミンズの『点灯夫』(1854年)およびスーザン・ウォーナー『広い、広い世界』(1850年)に着目し、そこにみられる孤児(日本の少女マンガにも見られるモチーフ)と感傷性、移動性について考察し、日本英文学会関東支部第20回大会シンポジウム1「十九世紀アメリカ文学における移動・移民」において発表した。
アメリカ女性文学に見られる感傷性は、それがゆえに女性文学がアメリカ文学史からは無視されてきた要因のひとつでもあった。日本で翻訳出版され、いまも読み継がれているジーン・ウェブスターの『あしながおじさん』(1912年)は、現在のアメリカでそれほど知られていない。本年度の後半では、アメリカ文学史における女性文学の意義について、また文学の評価と性差について、論考「文学とジェンダー」にまとめた。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2017-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)