「対テロ戦争」の時代のセキュリティ政策:日本・中東間の治安・安全保障協力
【研究キーワード】
中東研究 / 国際安全保障 / 対テロ戦争 / ジハード主義 / イラン / 北朝鮮 / 国際安全保障貿易管理 / 核開発 / グローバルセキュリティ / テロリズム / イスラエル / ジハード / イスラーム / セキュリティ / トルコ / カタール / UAE / 安全保障 / 安全保障貿易管理
【研究成果の概要】
2001年9月11日のイスラーム主義過激派による米国同時多発テロ事件をきっかけとして開始された米国によるグローバルな対テロ戦争は、2021年9月の米軍アフガニスタン撤退に至る20年間にわたり、世界政治の中心課題となった。米国との同盟関係を外交・安全保障政策の基軸とする日本は、対米関係の安定と強化という関心の下で、対中東関与を深めた。これは外交・防衛・警察・公安等の政府各部門における、中東関連の任務の主流化をもたらし、国内政治における中東関連施策の優先順位を引き上げる効果を持った。「イスラーム」への関心が増大すると共に、それに対峙しつつ協調も深めるイスラエルへの政策的関心の高まりが生じた。
【研究の社会的意義】
本研究で取り組んだのは、2001年の9・11事件とそれに対応した米国主導の「対テロ戦争」が、日本の政府諸部門、特に外交・安全保障・治安関連諸部局に及んだ影響である。それ以前には周辺的な課題とされ、文化的・趣味的な領域とみなされていた「中東・イスラーム」が指し示す政策領域の重要性への認識が飛躍的に増大し、それに伴う政策上の「主流化」がこの期間に進んだ。同時に、米主導の対テロ戦争に深く関わり、イスラーム主義勢力に正面から対峙しつつ、アラブ湾岸産油国と水面下で協力関係を深めるイスラエルの外交・安全保障上の重要性への認識の高まりが並行して進んだことを先んじて示したのが、本研究の意義である。
【研究代表者】