Pseudo-haptics実用化に向けた効果の不安定要因解明と安定化制御法開発
【研究キーワード】
Pseudo-Haptics / Virtual Reality / Pseudo-haptics / クロスモーダル / 個人差
【研究成果の概要】
本研究の目的は,Pseudo-haptics効果の不安定要因だと考えられている個人差・提示時間が錯 覚効果量に与える影響を解明し,それをもとにPseudo-haptics効果を制御可能にする手法を構築することにある.Pseudo-hapticsは物理的触覚提示デバイスを用いなくとも擬似的な触力覚を提示可能な現象として着目されている一方で,その効果が提示対象者や提示時間に依存し,安定しないという問題を抱えている.そこで本研究では,Pseudo-hapticsを安定した触覚提示技術として確立するため,オンライン実験プラットフォームを構築して多様な特性の体験者に対するPseudo-haptics効果を大規模に収集し,収集データを用いて個々人の特性が効果量に与える影響や長期間Pseudo-haptics刺激を提示することによる馴化の影響を明らかにする.さらに,体験者の特性の違いや提示時間によって生じる錯覚効果量のばらつき・低減を防ぐ手
法を構築し,その適用限界・有効性を明らかにする.
計画初年度にあたる2021年度では,マウス操作におけるPseudo-hapticsを検証するためのオンライン実験プラットフォームを構築し,600人を対象に体験者の年齢,性別によりPseudo-haptics錯覚効果にどのような違いが現れるかを調査した.検証の結果,若年者の方が高齢者に比べ,また男性の方が女性に比べてPseudo-hapticsの効果を強く感じやすいことが示唆された.加えて,深部感覚が正確であるほうがPseudo-hapticsの錯覚効果が強く発現する可能性が示唆された.
加えて,画像入力から触覚刺激を生成したり,逆に触覚刺激入力からそのテクスチャ画像を生成するモデル構築の研究にも取り組んだ.本研究により,特別な知識がなくとも簡便に視触覚刺激を生成できるような枠組みの実現可能性を示した.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
割澤 伸一 | 東京大学 | 大学院新領域創成科学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
宇治土公 雄介 | 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所 | 人間情報研究部 | 研究員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)