健康・体力指標および運動習慣に及ぼす自発的運動の効果
【研究分野】体育学
【研究キーワード】
運動習慣 / 身体活動度 / ウォーキング / 健康 / 体力
【研究成果の概要】
本研究では、中高年者を対象として、運動指導ならびに自発的運動が健康・体力指標ならびに日常生活活動量に及ぼす影響を検証した。大学キャンパス周辺の地域住民を対象として被験者を募集し、計140名の応募を得た。被験者は8週間にわたる介入を受けた。介入群としては、ウォーキング教室実施群(A群:32名)、自主ウォーキング群(B群:34名)、血圧モニター記録群(C群:22名)、歩行日記記入群(D群:52名)が用意された。介入前の日間歩行歩数(日歩数)には群間に差は無かったが、介入期間中はC-Dを除く全ての群間に差が認められた。A群における教室開催日の日歩数は16191±3988歩であり、非開催日の日歩数(11719±3454歩)よりも有意に高かったが、教室中の歩行歩数(9025±584歩)を差し引いた自発歩行歩数(7166±3892歩)は、時間補正を行ってもなお非教室開催日の日歩数よりも有意に低値を示した。ただし、教室開催日の自発歩行歩数と介入前の日歩数との間には有意な差は認められなかった。介入終了4ヶ月後の日歩数は、A群11487±4057歩、B群9564±2545歩、C群9070±3485歩であり、A、B両群共に介入前と比較し有意な高値を維持していた。また、介入終了12ヶ月後においてもこの傾向は維持された。以上の結果から、身体活動量を増加させるための介入として「運動指導」の効果は高いものの、「健康モニター」という介入によって高められた自発的歩行量の増加が介入終了後における歩行習慣の維持に貢献することが示唆された。
【研究代表者】