側壁駆動によるマイクロ流体デバイス流体制御システムの統合
【研究キーワード】
マイクロ流体デバイス / マイクロミキサ
【研究成果の概要】
本年度は主にマイクロミキサを複数同時に駆動して,多くの異なる濃度のチャンバを一斉に作る機能について研究開発を行った.提案するマイクロミキサは主流路から枝分かれした円形状のメインチャンバを駆動用チャンバが囲った構造となっている.駆動用チャンバに圧力振動を加えると,チャンバ間の壁面が変形し,メインチャンバの体積が変化することで,主流路から液体をくみ上げつつ,メインチャンバ内で攪拌を行う.一つの圧力源を用いて多くのマイクロミキサを異なる駆動力で同時に駆動するためには,駆動チャンバ内で圧力勾配を作り,その勾配に沿ってミキサを並べれば良いと考えられたが,これまで用いてきたピエゾアクチュエータを用いた高周波の振動では,流路内の圧力振動だけでなく,装置全体の振動がマイクロ流路デバイスに伝わることで,流路の形状に関係なく圧力振動が発生してしまうことが判明した.そこで新たに空気圧を振動源に用い,これまでの高周波小振幅ではなく,低周波大振幅で壁面に圧力変形を加える方法を提案した.ピエゾアクチュエータではポンプの駆動振幅が小さく,ミキサを増やした場合に変形させるチャンバ間の壁が多くなると,変形に必要な液体の体積の変化量に対応できなくなる可能性があるが,空気圧を用いることで多くのミキサを同時に駆動することもできる.この結果8個のチャンバを同時に駆動して異なる濃度とすることができた.また大きな体積の変化にも対応可能なことから,大型のミキサも駆動できることが可能となることが分かった.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
金子 真 | 名城大学 | 理工学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2025-03-31
【配分額】15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)