東インドに由来するサンスクリット写本識語の研究
【研究分野】中国哲学・印度哲学・仏教学
【研究キーワード】
サンスクリット写本 / 写本識語 / 後期インド仏教史 / 東インド中世史 / 東インド写本 / インド暦 / 放射性炭素年代測定 / パーラ朝 / ヴァルマン朝 / 赤外線撮影
【研究成果の概要】
東インドで作成されたと考えられるサンスクリット写本について、識語を中心に研究をおこなった。写本識語をできる限り正確に解読するため、国内外のサンスクリット写本所蔵機関で実見調査を実施した。識語に年代や日付が含まれる場合は西暦換算を試み、地名・寺院名・王名・筆写者・寄進者・所有者・肩書等を収集した。なかでも、15世紀に東インドで大乗仏教徒が活動していたことを実証する写本識語を写真とともに公刊できたことは、仏教史研究において意義深い。さらに、識語から作成年代の確定した個人所蔵写本1点について、放射性炭素年代測定を実施した結果、その作成年代が理化学的にも実証された。
【研究の社会的意義】
「インド仏教は13世紀初頭に滅亡した」という従来の通説を覆し、15世紀まで東インドで大乗仏教徒が活動していたことが、年代・日付、村落名・筆写者名・所有者名・肩書を明記する複数のサンスクリット写本識語によって明らかとなった。個人所蔵のサンスクリット写本について実施した放射性炭素年代測定は、作成年代の確定したサンスクリット写本を測定対象とした最初の事例となった。
【研究代表者】
【研究協力者】 |
古井 龍介 | 東京大学 | 東洋文化研究所 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2015-04-01 - 2019-03-31
【配分額】4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)