視覚情報へのマグニチュード理論の検証
【研究キーワード】
視覚 / 量推定 / 空間視 / 密度順応 / fMRI / 空間知覚
【研究成果の概要】
本年度は研究1「テクスチャ刺激への順応から引き起こされる知覚サイズ圧縮およびテクスチャ知覚に反応する脳部位の特定」のため、fMRI計測のパラメータを決定する予備実験を行った。用いられた順応刺激は、白と黒で定義される100個/9個のドットで構成されるテクスチャ刺激で、順応刺激提示時間は1秒とした。テスト刺激として、黒いエッジのみのサークル刺激と、49個のテクスチャ刺激を順応刺激が提示された視野に続けて提示した。実験デザインはRapid event related であり、TRは1秒、順応刺激とテスト刺激の時間間隔は1~4秒とした。被験者は注視点が青色に変化する数を数えるというタスクをセッションを通じて行っており、注意は視覚刺激に対しては向いていなかった。パラメータ調整を行ったあと、5名分の予備実験を行い、各被験者についてボクセルごとの単変量解析、マルチボクセルパターン解析(MVPA)、全被験者データを用いた平均活動パターンに対するMVPAを行った。その結果、高密度-低密度順応後のサークル刺激に対して右側頭部、高密度-低密度順応後のテクスチャ刺激に対しては両側の前頭眼窩野が活動していた。また、高密度-低密度順応後のサークルとテクスチャ刺激が活動する場所の差分をとったところ、左頭頂連合野に差がみられる傾向があった。今回提示された刺激に対して、知覚変容が起こっているかどうか確かめるため、行動実験を行ったが、見えとしての知覚に順応効果はみられなかった。
研究2「視覚属性の感度と量推定の精度の関係性」については、まず視野上の様々な場所で空間解像度(どの程度精確に刺激の出現位置を知覚できるか)と時間解像度(どの程度精確に刺激の出現タイミングを知覚できるか)を心理物理学的に測定している。これまで予備実験を40名程度の被験者に対して実施し、実験課題や視覚刺激の最適化をほぼ完了した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
村井 祐基 | 大阪大学 | 生命機能研究科 | 特別研究員(SPD) | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)