綸旨・院宣の網羅的収集による帰納的研究
【研究分野】日本史
【研究キーワード】
綸旨 / 院宣 / 天皇 / 上皇 / 文書 / 古文書学 / 史料学 / 画像解析
【研究成果の概要】
1. 本プロジェクトの研究対象は院宣と綸旨である。院宣は上皇の、綸旨は天皇の書状であるが、両者はそれぞれ上皇・天皇の側近により執筆され署名されるのがふつうであった。
2. 本プロジェクトにおいて、以下の4種の材料から院宣・綸旨の実例3,982件を採取した。すなわち(1)『平安遺文』および『鎌倉遺文』。(2)『校訂増補天台座主記』(比叡山延暦寺開創記念事務局、1935年)、『大日本仏教全書』(仏書刊行会編、第37・39冊阿娑縛抄第三・第五、第45・46・47・48・49・51冊覚禅抄第一・第二・第三・第四・第五・覚禅抄第七、第128冊華頂要略門主伝第一)、『増補史料大成』(臨川書店刊、第12-15巻中右記4-7、第17巻長秋記2、第21巻兵範記4、第24・25巻台記2・3、第29・30巻吉記1・2)、『玉葉』1・2(国書刊行会編)。(3)東京大学史料編纂所撮影シートフィルム(4×5判、6×9判)(4)東京大学史料編纂所公開「古文書目録データベース」。
3. 近藤は院宣・綸旨に関する一般的問題を論じた。
4. 遠藤は摂政御教書について、伴瀬は後院御教書について研究した。摂政御教書と後院御教書は院宣・綸旨の共通する性格を有する文書である。
5. 本郷恵子は勘解由小路仲光の御教書案について、山家浩樹は甘露寺家の綸旨「符案」について研究した。いずれも院宣・綸旨の作成当事者による控えである。
【研究代表者】