身体固定状態における没入型VRシステムの実現に関する基礎研究
【研究キーワード】
ヒューマンインタフェース / 知能ロボティクス / バーチャルリアリティ / 全身没入
【研究成果の概要】
本研究は身体固定型の没入型VRインタフェースである「Motion-less VR」に関するものであり、大きく4つのSTEPを踏みながら研究を進める計画を立てている。その中で、STEP1・2が当該年度(研究全体の初年度)に着手予定のものであり、いずれも運動意図取得技術の改良に資するものである。これらについて取り組んだ結果を報告する。
STEP1:姿勢に応じたトルク変換による運動意図取得の精度向上 【1年目】
Motion-Less VRでは固定された実身体の関節角と運動しているバーチャル身体の関節角が異なるため、我々は、ユーザはバーチャル身体の関節角を自身の現在の姿勢と思い込んで筋発揮を行うとの仮説を立てている。そして、この仮説が正しければ、実身体で計測されたトルクをバーチャル身体へ本来入力しようとしたトルクへと変換することで運動性能が向上すると考えている。そこで、実際に肘関節を対象に変換有無での運動性能を比較したが、予想に反して大きな差異は見られなかった。しかしその後、検証用に作成した動力学シミュレータにて、肘関節の動きでは変換に値しない程度しかトルクが変わらないことが判明したため、本手法の有用性は肘では検証できないとの結論となった。
STEP2:筋電センサを用いた運動予測による運動意図取得の遅延抑制 【1~2年目】
トルクセンサ遅延や運動シミュレーションの処理遅延により、時間遅れ及びそれに伴う不要な筋発揮が生じていると考えられる。そこで、筋電センサを用いたバーチャル身体の運動予測により時間遅れの低減を図ることとした。本年度は、筋電センサのセットアップを行い、センサ遅延や処理遅延を実際に見積もるところまで進んだ。しかしその結果、現状のシステムでは動作不安定であり、遅延抑制の性能向上が誤差として埋もれてしまう段階にあることが分かった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
大谷 拓也 | 早稲田大学 | 理工学術院 | 次席研究員(研究院講師) | (Kakenデータベース) |
望月 典樹 | 法政大学 | 理工学部 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)