j-GRID構築の研究
【研究分野】計算機科学
【研究キーワード】
分散処理 / GRID / Ninf / ネットワーク負荷 / スケジューリング / KnowledgeGRID / 知識共有 / 仮想空間 / 分散サーチロボット / 身振り認識
【研究成果の概要】
(1)GCIの開発本研究は、メタコンピュータを構成するための一方式をまとめるものである。本研究では、プログラマに対してメタコンピュータを提供することを目標とし、そのためのシステムソフトウェアの構成法としてJavaを分散処理に適した処理系、すなわち分散オブジェクトと実行状態の移送機能を付加することを提案した。分散オブジェクトはネットワークの先にあるオブジェクトを操作する機能で、オブジェクト指向言語から複数コンピュータを活用するための一般的な手段である。
本研究の成果は、Java仮想マシン間でメタコンピュータ実現に不可欠な、異機種間・非同期スレッド移送が可能であることを、実証的に示したこと、ネットワーク透過な分散オブジェクトシステムの開発が可能であることを、実証的に示したこと、Javaコンパイラとして既存のものをさらに数倍以上に性能向上させることが可能であることを、実証的に示したこと、などである。
(2)AP-GRIDおよびSC-GRIDの実証
SuperComputing 01において、アメリカのGRIDグループと協力して、日本・アメリカおよびヨーロッパを結ぶグローバルなGRIDの実証的実験を行い、その実現性を確認した。このために、大規模計算能力を分散利用するための技術を開発するとともに、ネットワークのスケジューリング機能を開発した。
(3)Knowledge GRID開発
知識共用のためのKnowledge GRIDの実現に向けて、ハイパーオムニビジョンカメラ(360度全方位カメラ)によって撮影した映像を元に、利用者の視線方向をジャイロで検出して、利用者の付けているヘッドマウントディスプレイに仮想的に利用者があたかもその物理空間にいるかのように周囲空間を表示する技術、分散サーチロボットで高速にWeb情報を収集し、これらを利用者の興味の観点等から分類し、インデックスを構成する技術、遠隔地間で撮影した映像を実時間で1つの画像に接続・合成し、これをヘッドマウントディスプレイに表示することにより、あたかも2つの空間が物理的に同一であるかのように見せる技術として、2つの遠隔画面をシームレスに張り合わせて単一画面に合成する技術などを開発した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
関口 智嗣 | 産業技術総合研究所 | 情報アーキテクチャ部 | 主任研究員 |
合田 憲人 | 東京工業大学 | 大学院・理工学研究科 | 講師 | (Kakenデータベース) |
松岡 聡 | 東京工業大学 | 学術国際情報センター | 教授 | (Kakenデータベース) |
建部 修見 | 産業技術総合研究所 | 情報アーキテクチャ部 | 研究員 |
田中 良夫 | 産業技術総合研究所 | 情報アーキテクチャ部 | 研究員 |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2000 - 2001
【配分額】13,200千円 (直接経費: 13,200千円)